自己実現への道は「否定」からスタートする!

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自己実現への道は、「否定」からスタートする

という事はご存じですか?

「え?自己実現には、否定よりも肯定が大事なのでは??」と思うかもしれませんが、
実は、自己実現の土台は「肯定」ではなく「否定」なのです。

幼少時代、存分に「否定」できたどうか?も、非常に重要です。

それが今の自己実現まで深く繋がっているのです。

以前のコラムにも書きましたが、心理学者のユングいわく
【人生の前半は「自我実現」をし、人生の中盤からは「自己実現」をしていく】

つまり、人生の流れが自我→自己へと流れていくことから、「自己実現」には、しっかりした「自我の確立(土台)」が大切となります。

それでは、人生の基盤でもある「自我」は、どうするれば確立することができるのでしょうか?

それは、「自分でないもの」を否定することからスタートします。

ミケランジェロの
「余分なものを取り除いていくことにより、彫像は完成していく」
という名言がありますが、それと同じように、
「自分でないものを取り除いていくことにより、自分が浮かびあがってくる(自我ができてくる)」わけです

だからこそ、1~3歳でイヤイヤ期がくると「自我が育ち始めたんだね~」と言われるんですね。^^

とはいっても・・・

昔の私は、「自我は否定(英語でいうとNO!)からスタートする」と頭では理解しても、どこかピンときていませんでした。

え?否定じゃなく肯定じゃないの??と少し妙な気がしたりもしていたものです(←ヤングな考え方でした(笑))。

でも、いまは、心底ピンときます。

我が家でも、娘のイヤイヤ期が既に始まっています。

確かに、頻出単語は「無い」「いない」「やだ~」と、英語にすると全部NOばかり!教科書通りすぎて感動してしまいました。(笑)

また、自分の気分が乗らないと、すぐに嫌がるのですが、
「自分の気持ち(=自分)」と、「ママのしてほしい気持ち(=自分でないもの)」は違うものだ!
と、「自分でないもの(ママの気持ち)」必死に排除しようとしているわけですね。

もっとNOが言えるようになってくると、成長も加速していくのでしょう。^^

NOと自我の成長はセット販売。それが敷いては、彼女の自己実現も繋がっているわけですから、

NOを伴う成長よ、どんとこい!という心境でいたいものです。(育児は育自ですね)^^

ちなみに、思春期も親に言うかどうかは別として、親や大人に「NOという態度」「受け入れない態度」
をとってきますが、これもまた成長の過程です。

人間が自己実現をしっかりできるようになるには、「しっかりした自我の確立がベース」になります。

だから、イヤイヤ期は、嫌~~といわれながら、私も自我の成長を手助けしているんだな~と感じています。

嫌と言われても、やってもらわないといけないときは、こちらもNO!といい、時にはNOの応酬をしながら、
小さい頃に存分にNO!を言えるといいなと思います。

私が多くの年齢退行療法を見てきた印象からいうと、
子供のころに嫌とかNO!を存分に言ってもいい(受け入れてもらえる)環境でなかった人は、

・嫌でも、つい無理をして頑張ってしまう
・NOを言うのが苦手
・相手にNOと言われるのも苦手(嫌われているのでは?とか気分悪くしたかな?と思う)
・相手に合わせてしまう
・相手に合わせているうちに、自分が何が好きか、ワクワクするか分からなくなる
・自分と他人の境界線が曖昧(影響されやすい)

というような傾向があります。

大人になってからも、子供のころNOを受け入れてもらえかった日々の記憶があって、なかなか上手くNOといえないのです。
(そして他人にNOと言われるのも怖がります)

もし、当てはまるなと思った部分がある人は、今からでも、相手にNOを伝える練習をしてみるといいと思います。

とはいっても「いやです!」「できません!」「いきたくないし」とか、相手の気分を損ねる言い方だと、子どもレベルに退行しているだけなので、せっかく大人の理性(インナーアダルト)も成長している良さを生かし、上手な言い方ができるとベスト。

普段から上手くNOを伝えている人は、何度も失敗を繰り返しながら(←ここがポイント)経験値を踏み、上手な伝え方をマスターしてきています。

だから、いままであまりやってこなかったひとは、そんなに上手にいえない方が普通です。

そういう意味では、イヤイヤ期の子供は経験を積んで無いので、NO!の言い方がモンスターみたいですよね(笑)。

誰でも試行錯誤して経験を積んだ分だけ、NOを伝えるのが上手になっていくのだと思っておくといいと思います。

「人間」という生き物は、この世にひとりぼっちだと、自分がどういう人間かわからないもの。

だから、「自分でないもの」を否定しながら、自分の輪郭が見えてくるのです。

お子さんがいる方は、イヤイヤ期の受け止め方で、自我の発達や、その子の将来の自己実現も変わってきます。

肯定だけでなく、否定も大事にしながら、生きていくと自己実現への道が開かれやすいものです。

陰陽、全てはバランス。どうぞ、人生の中で「否定」も大切に!^^


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