心の声が聞こえなくなってしまう最大の理由

カテゴリー: コラム | 投稿日: | 投稿者:

自分の人生や方向性について考えたり、大きな決断をしなくてはならないときなど、どうすればよいか。
よく「心の声に従おう」とか「自分の心に問うてみよう」といわれます。

でも・・・

「心の声が分からないのですが。どうやったら、自分の心が本当に感じている事(=本心)がわかりますか?」

これはカウンセリングで、非常によく聞かれる質問のひとつです。

人間が生まれた時は、心の声は出し惜しみ無しです。いつも全開で、非常に分かりやすいものです(悲しければ泣き、嬉しければ笑い、やりたければ夢中で集中しています)。
でも、大人になるにつれて頭(理性)が発達してきます。ただ、その「頭(理性)のあり方や役割」を間違えると、心の声が聞こえなくなります。(後半に詳しく説明します)

心の声が聞こえなくなってきた時、最初の一歩は、自分で「なぜ私は、今、心の声が聞こえなくなってきたのか?」に気付く事です。
その理由が分かれば、解決方法が見えてきます。
その際、(分かりやすくするため)私は以下のたとえ話をしながら、いまの現状を確認・理解してもらいます。

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あなたが公園に行くと、散歩に来ている犬の飼い主達が集まっていて、犬のドッグレースが始まりました。シェパードや、柴犬、チワワなどいろいろな種類の犬が、よーいドン!で、グラウンドのトラックの周りを、一斉に走って、5週走った犬から、ゴールしていきます。

大きなシェパードは、気持ち良さそうに2周目、3週目に突入していく反面、ちょこちょこと最後尾を走っていた小さなチワワは、1週目後半にはヘトヘトになってきて、2週目になると苦しそうにヨロヨロしています。そのチワワに向かって、その飼い主はこう叫びました。

「おい、情けないぞ。みんなもっと走れているじゃないか。お前も同じ犬なら、同じように走れなくてどうする!」

その声に押されて、小さいチワワはまた必死によろけながら前に進みましたが、しばらくすると息も絶え絶えに座り込みました。

そうすると、飼い主は立ち上がれないチワワのところまでいって、
「おまえ、あのシェパードを見ろよ(と指をさす)。同じ犬なのに、この違いは何?犬としてダメだな。気合が足りないんじゃないか」
と言って、またムチをビシビシ打って、無理矢理走らせました。

また数メートル必死に走った後、ついに、気を失うように倒れこんだチワワ。そのチワワに飼い主はどうしたか?

首輪に手綱をつけると、地面にべったり倒れこんだチワワをそのままズリズリ引きずっていって、ゴールさせようとしたのです。

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「こんな犬の飼い主をみたら、あなたはどう思いますか?もし隣に住んでいる人が、そんな飼い主だったら?」私が、こうやって質問すると、誰しも

「信じられません」「ものすごくひどい人だと思います」「許せません」「虐待だと思います」

というような事を口々にいいます。

「では・・・「飼い主=あなた」「チワワ=あなたの心」だとして、あなたは自分の心に対して、どこか同じような事をしていませんか?」というと、一瞬間が空いて、

「あ・・・・やってますね・・・・」というのです。

ここが大事な気付きです。心の声が聞こえなくなって来る人は、必ずこれをやっています。

多くの人は、他人が誰かにやっていたら「ひどい」「信じられない」「許せない」を思える事を自分に延々やり続けていても、それにさえ気付いていません。

あなたの心が苦しいとか辛いと感じていても、それを許さず

「大人なんだから、これくらいは・・」「もっと上手く出来ている人もたくさんいるから、私が弱音を吐くなんて・・」「こんなことで傷ついている場合ではないし・・」「精神力が足りないから、こうなるのかも・・」

そうやって、心が走りたがらなくても(走れなくなっても)、強制的に走り続けさせてしまいます。そして最後、自分の心が走れなくなってくると、イライラした頭は、走れない心を罵倒してズリズリとどこまでも引きずっていく・・・こんなことを日常でずっとやっているわけです。

そして、ある日、あなたは心に言います。
「さあ、ありのままの気持ちを、私に伝えてくれない?」

ここで罵倒するほうから、されるほうへと立場を入れ替えて考えてみると、あなたの心の状況・気持ちがよく分かると思うのですが、

あなたが虐げられたチワワだったとして、目の前に、毎日公園で厳しい仕打ちを自分にし続ける飼い主が、じっとあなたを見下ろしています。

さて、チワワ(心)のあなたは、ありのままの自分を、この飼い主に安心して出せるでしょうか?

答えは・・・NOです、出せるはずがありません。

自分をさらけ出したら、また責められてしまう可能性大でビクビクとして、顔色を伺っています。

つまりそれが、心の状態なのです。

ありのままの自分を出していける土台がないと、ありのままの自分は出てくることが出来ません。

心の声が分からない人は、自分の中に、心が自由に安心して表現できる土台があるかどうか?に、まず目を向けてほしいのです。

「ありのままのチワワ」は、走る事や重いものを運ぶのは得意ではないでしょう。でも、狭いところに入ってボールを取ってくるというレースなら、他の犬を抑えてダントツ一位。小さい子供に人気の容姿とかは、大型犬からは羨望の眼差し。さらにエサやスペースが少なくて済む・・という利点は、経済的視点からいえば素晴らしい。それが「ありのままのチワワ」の個性なのです。

つまり、あのレースでチワワは、「ありのままの自分でいただけ」だったのですね。

そして、そのチワワのように、あなたの心が、悲しい時楽しい時、辛い時嬉しい時、嫌な時やりたい時というのは、それが「ありのままの自分」なのです。

どんな犬も、ありのままで得意・不得意や個性があるように、人間にも得意・不得意や個性が必ずあります。

「同じ犬のくせに・・」と考えるのは変なのと同じで、「同じ人間なのに・・・」と真面目に考えるのも、おかしな尺度です。

その「同じ人間なのに・・」を、いかにももっともらしく語ってしまいがちなのが頭なのですが、人間の頭はもっともっと賢くなれるはずです(^-^)

基本的に、世間や他人は、勝手な事を言い、勝手は評価をするもの。

でも、周りの犬(周りの人)から、あなたのチワワに「お前走るの遅いな」「お前パワーないよな」という態度をとられた時、あなた(自分の頭・理性)まで「そうだな。パワーもないし、本当に走るのが遅い。ああ、ダメだな~」と考える罠にはまるのは、もうそろそろ卒業。

「たしかに走るのは得意じゃないけれど、でも、小さい場所に入ってボールを持ってくるのは得意だよね」

と、否定も責めもせず、ありのままの自分をそのまま受け止めてあげられたら、ありのままの心が健やかに大きく育ち、もっと自分の心がよく分かるようになります。

(但し、長年心を責め続けた人は、心もすぐに油断しませんので、少し気長に、構えておくことも大切ですヨ。なんですぐに変わらないんだ!とまたイライラしてしまうと、元のさやです)

ありのままのチワワ(心)が、途中でヘトヘトになったとしても、休んだ後歩いてゴールしたとしても、それを「ありのままの自分で、現状を精一杯前に進んでいる」と心底認めてあげられるのは、自分の中にいるもうひとりの自分(頭・理性)だけ。

そうやって心と絆を結んでいけば、「本当にやりたいのか」という心の声も、もっと聞こえるようになります。

心のチワワの元気を失わせたのがあなたなら、元気を取り戻させることができるのもあなたなのです。
どんどん心を元気にさせて、ワクワク、ルンルンと、更にパワーアップさせていくのもあなた。

どうか、あなたの心を、あなたの手でもっと元気にしてあげてくださいね(^-^)

ひとりでも多くの人の心が、もっと元気になりますように。

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