先日のパートナーシップ勉強会で、ゲストの須子はるかさんから、
男女のパートナーシップには、企業の人材採用と同じく「採用」というフェーズと、「育成」という2つの段階がある。
という話が出ました。(1回目の男性ゲストを招いた勉強会でも「お互いを育てあう」という話がでていました)
最初の「採用」段階で、採用相手を間違えると、職場でも人生でも、大変になりますので、ここは確かに重要ポイント。
そして採用後は、その人を伸ばす「育成」が、相手だけでなく自分の人生を大きく左右します。
部下でも、人生のパートナーでも、
『どちらも、採用側&育成側(=自分)の器量が求められる』
という意味では、同じ部分があります!
企業でも、男女でも
「なんで、いつもこんな人ばっかり採用してしまうのか?」「なぜ採用活動が上手くいかないの?」
と思う場合、まず採用側の自分を見つめる必要があります。
「なんで、私の部下(またはパートナー)はいつも育たないのか!」
と思う場合、まず自分の育成法を見つめる必要があります。
そういう意味では、パートナーシップというのは、自分を映し出す「鏡」のようなものとも言えます。
この、心の「鏡」が、曇っていたり、歪んでいたりすると、自分も相手もよく見えません。
その鏡には、自分も相手も映し出されますが、まずは自分がそのまま映っているかどうか?が大切です。
まず鏡に、自分がそのまま映っているか?は、パートナーシップに限らず、あらゆる友人・人間関係に影響があります。
自分がそのまま映し出せるとは、「本当の自分を自分が受け入れて&表現できる」ということです
もう少し詳しく言うと
「まずは嫌な自分も、弱い自分も、素敵な自分も、色々な自分を自分が受け止めて、(相手に)自分はこうなんだよ~と伝える姿勢」です。
ところが色々な自分を、自分が受け止められない場合、そんな自分を相手に出す事は難しいわけです。
「こんな自分いなくなればいいのに・・」と思っているのに、相手にそれを出すなんて、
「こんなにまずい肉じゃが、消えればいいのに・・」と思った肉じゃがを、あえて好きな人に出すくらい勇気(?)が必要です。
そんな肉じゃがを出されたら「わ~、うれしいわ!」って言いますか?
まず言いませんよね。
だから、その肉じゃが(そんな自分)は、まず出さないでしょう。
だからといって、自分をちゃんと出さなければ受け入れられないと思うと・・
あなたが、レストランに入ったとします。ウェイターさんに「このお店らしい一品を」と頼んだら、店に自信の無いウェイターさんが、「店の良いところばかり見せて、あとから、がっかりされては困るし」と思い、そのレストランの真実の姿を見せようと気を利かせて、まずはお店で一番自信が無い味のメニューを出された。
どんな気分ですか?
されたほうとしては、何かがおかしい気が・・・と思いますね。
自分を見せるというのは、ダメな自分をいきなり出しまくって「自分を守る」ことではありません。
「自分を守る」ということは、自分の中の「何か」を守っています。
その何かとは「恐怖心」「怖れ」。それが鏡を曇らせます。
そうすると自分の事も、相手の事も、よく見えなくなってしまうのです。
自分が「あ~、私には、こんな自分も、そんな自分もいるんだな~」「でも、そんな自分も居ていいよね!」
と映し出せるなら、ありのままの相手が映す事も受け入れられて、心の鏡が曇らなくなります。
そうすれば、色々な自分が、そのまましっかり心の鏡に映ってくることでしょう。
そして、同時に相手も、自分の鏡にしっかりと映ってくることでしょう。
詐欺師など、最初から、故意に人を騙して傷つけようとするような悪質なケースを除き、
基本的には、どんな人も相手を傷つけよう・陥れようと思って言動をしているわけではありません。
ただ、思想や価値観が違うだけです。
相手の真意は悪意でないと、心の鏡に映っている人は、大抵の人を許容できます。
同様に、自分の中の色々な自分も、許容できています。
ですから、パートナーシップや様々な関係性が、上手くいきます。
相手の真意が悪意ではないと分かっているので、感情的になることなく、自分の考えや本当に気持ちを、率直に相手に伝える事ができるからです。
ところが、自分が傷つきたくない、とか、自分を嫌いになりたくないという気持ちで鏡が曇っていると、
ありのままの自分が見えないので、知らず知らずのうちに我慢したり無理をして疲れてしまいます。
疲れた段階では、既に感情的になっているのが人間というもの。
すると、無理をする原因となった相手のことが、嫌になってくるのです。
このタイプは、自分も相手もコントロールしようとしています。
(しかし、コントロールしようとすればするほど、色々な人との関係がおかしくなります)
弱い自分も、未熟な自分もと、自分をありのまま受け止めて表現できれば、相手の不完全さも、ありのまま受け止められます。
このタイプは、ふたりの関係を「育て」ようとしています。
誰かとの関係性を「育成」して成熟させるか、誰かとの関係性を「コントロール」しようとしてこじれるか?
パートナーシップ育ては、まさに自分育て。
完璧を求めるのではなく、自分の不完全を「そういう自分もいるから人間なんだし、よしよし」と受け入れてみる。
自分を愛せれば、人を愛せるようになる。
自分を受け入れれば、相手も受け入れらるようになる。
自分自身や男女・家族とのパートナーシップを、豊かで自由にするのに、何よりも必要な事は、そこなのかもしれません。^^