合理的解決と感情的解決、人間が一番求めるのは?~「サンキュー」で得るもの失うもの~

カテゴリー: コラム | 投稿日: | 投稿者:

ここ数年、翻訳アプリが、ものすごく進化しているそうで、最近では、話せば、かなりの精度で、その言語に訳してくれるようになってきたそうです。

一瞬、外国語を学ばなくても進化が追いつくのかも!?と喜んだ私、ですが、そこで、ふと思い出した記憶が・・・。

それは、アメリカの大学院にいたとき、
「アメリカ人って、どこの国に旅行しても英語でサンキューって言うよね~。アメリカ人って何故そうなんだろう?」
と、インターナショナル学生達たちで、時々話していた記憶です。

え?どういうこと?と思うかもしれませんが、「サンキュー」ほど世界で有名な言葉もありません。日本のおばあちゃんでもサンキューの意味がわかるくらいで、世界中どこにいっても、まず意味は通じます。

だから、アメリカ人は、旅行でほかの言語圏を訪れても、その国の言葉でありがとうを言わない人が(他の言語の国と比べて圧倒的に)多いそうなのです。

「ありがとう」という意味が通じているから、いいじゃん?

と思えばその通り。

でも、意味が通じてるのに、ほかの国の人たちが「なんだかなぁ」と感じる理由というのは
「自分たちは、その国にいったら、その国の言葉で「こんにちは」「ありがとう」くらいは言おうとするのになぁ」というところでした。

多くの日本人も、旅行に行くと、その国の言葉で「ありがとう」だけでも言おうとする傾向がある気がします。

確かに、私達日本人も、外国語で「サンキュー」とか「ダンケシェーン(ドイツ語)」と言われても意味はわかりますが、たどたどしい日本語でも一所懸命「ありがとう・・ございます!」と言われた方が、なぜだか嬉しくてニコっとしてしまいますよね。

それは何故かな?と考えてみると、そこに

『(言語を通して)相手の文化・感覚に身を置こうとする「気持ち」』

を感じるからだと思います。

例えば、

1) 女性が気持ちを分かって欲しいのに、パートナーの男性が、文章の意味から解決策ばかり提示する時、会話の流れ・意味は成り立っていていても、互いの気持ちは通じていません。

2) 子供は気持ちを分かって欲しいのに、親が、あれこれ5W1Hで質問して状況を把握しようとすると、まだ言語能力が発達してない子供は、かなりの割合で、責められていると感じます。
これも、会話の流れ・意味はおかしくないし、通じているのですが、互いの気持ちは通じていません。

人は、(やりとりとして)意味が通じても、気持ちが通じないと、なぜか衝突しやすくなります。

ちなみに、上記のケースで気持ちのコミュニケーション(気持ち疎通)をした後はどうなるかというと、

1) パートナーが気持ちをすごくわかってくれたので、会社の状況は変わらないけど、なんだか嬉しかった
とか
2) 学校の状況は変わらないけど、親が気持ちを理解してくれ、味方だとすごく感じたので、乗り切れる気がした

ということになります。(^^) 
気持ち疎通は、安心し、信頼が深まり、人を強くします。

つまり、人間が本質的に求めているのは、意味の疎通よりも、気持ちの疎通なのかもしれません。

人間関係や、男女や親子コミュニケーションも、大抵「気持ち疎通」が、肝になってきますが、大抵の人は反応パターンがあり、

A) 合理的な問題解決型(何かをやる/することで解決するというようなタイプ)

B) 感覚的な感情解放(受容解決)型(気持ちが受け止められた安心感や受容感を重視するタイプ)

のどちらか寄りになります(これがいつもの無意識の反応パターンともいう)

例えば、Aに偏っている上司は、部下にも、合理的コミュニケーションで問題解決する傾向があるものの、気持ち疎通が得意でない事が多いし、Bに偏っている上司は、気持ちは受け止めたものの、現実解決が苦手というところも。親子などにも同じことがいえます。

私が、いままで多くの年齢退行療法をしてきて見る限り、過去傷ついたり、悲しい思い出になっているのは、

「無関心だった場合(AもBも無い)」と、「A(問題解決)だけでB(感情受容)がなかったパターン」。
つまり、どちらも、「Bが無いパターン」ということがいえます。

これは子供だけでなく、Bがないと、どんな大人の中にもいる「インナーチャイルド」を傷つけやすいという事も意味します。

だから、人間にとって、Bの「感情受容」「気持ち疎通」は、すごく大事なんだな~と実感します。

男女、親子、上司部下、友達など近い人間関係においては、特にそうです。

しかし、A(合理的問題解決)を無くしすぎれば、解決しなさすぎて、現実的に辛いこともでてきてしまうので、

だからAとBの両方を使いこなせるのが、ベスト!

この場合、順番は、時間が足りなかった場合も考えて、「Bの後に、Aで解決する」のが一番良いと思います。(Aの後にBだと、冷たく感じる場合ありなので注意が必要)

ただ、自分に対して合理的に物事を解決するタイプの人は、人にも無意識にそう対応する傾向がありますので、そういう人は相当意識していないと、相手を知らず知らずに相手を悲しませたり、傷つけてしまうことがあります。

また、感情的に解決(解放)型の人は、現実が、本当の問題解決に至らないケースも多いかもしれません。

誰でも無意識にどちらかに偏っているものですが、このバランスをとって世界を広げるには、意識的な訓練がおススメです。

(職業柄もあるかもしれませんが)私は、こういう訓練は結構楽しくて好きです。
自分が得意でない側面を鍛えるのは、使ってない筋肉が鍛えられる感じで、引き出しが増えるというか、自分の中に隠れていた「新たな自分」に会えた気がするからです。^^

そして、AのタイプがBを筋肉を鍛えるのも、Bの人がAの筋肉を鍛えるのも、

自分とは違う『相手の文化・感覚に身を置こうとする「気持ち」』であり、

それは、言いかえると『愛』だなぁと思います。

翻訳機がどれだけ進化しても、そんな気持ちを人類が忘れていったら、世界は平和に向かわないでしょうし、

その「気持ち」「愛」をしっかり持ったまま、翻訳機や、合理的な解決思考をいこなせるならば、とても素敵な事になるはず。

世界の平和も、自分の身の回りの平和も、
全ては、『相手の感覚に身を置こうとする「気持ち」「愛」』から創られるのだとすれば、

そして「愛」が自分の中に隠れていた「新しい自分(可能性)」「面白い自分」「新たな引き出し」を引っ張り出してくれるとすれば、

それをやってみようと意識してみる時間は、人生を豊かにする時間となるでしょう!^^

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