着実に変化する人だけが理解できる「ひとつの真実」

カテゴリー: コラム | 投稿日: | 投稿者:

最近、1~2年前に個人セッションに来た方々に、久しぶりにお会いさせて頂く機会が多くありました。
その中でも、数年前にあがり症で通って来ていた数名に、最近、偶然にも連続でお会いした際、その方々の大変化っぷりに感動してしまいました。

当時は、人前にでると、頭が真っ白になり、手足はブルブル震え、冷や汗がダラダラ流れ、普段の力さえ全然出せない。次を思うだけで胸が苦しく不安になり、そればかり心配していると、さらにうまくいかない。そんな悩みを抱えていらっしゃった数年前。

5~6回連続通って(あがり症の場合、真剣に継続する方は5~6回でコツを掴んでくる方が多い)、ある程度コツをつかんで変化してきた所からは、自分なりに日々応用して頑張っていたそうです。どう活かしているかも具体的に色々お話してくださいました(具体的に話せるのは実践の証拠ですね)。

そして、いまでは
「人前で演奏するのが楽しくなりました!」「舞台が、今では楽しみなんです」
と人前のチャンスを増やしていっているだけでなく、
「頼まれて、人に教えることになりました」「教える側になろうと思います」
とスクールやレッスンで、生徒に教える側になろうという段階にきていたのです!(なんという大変化でしょうか!)

1~2年前の自分では、まったく想像していなかった自分に変化することができる。

それは真実だと思います。

それは、あがり症に限らず、私が7500人以上の方々と接してきて思います。そして、セッションで出会った方々を見ていると、セッションを活かして本当に変化していく人には、共通した特徴があります。

●結果がでるまで諦めず続ける
●応用して、自分なりに日々に取り入れていく事ができる
●何かを人のせいにせず、この瞬間を自己責任で生きようとする

この3つの姿勢です。

逆にいえば、これがない人は変化は難しいでしょう。

デニス・メドウズ博士は言いました。

「右肩上がりに、一直線に変化していけるのは、やさしい問題だ」

まさにその通りなのです。そのようなやさしい問題は、悩むに至ってないはずです。

しかし、デニス博士は、こうもいっています。変化しようとする人は(多くの場合)

「一直線に解決したいということに、非常に執着する」

そうなのです。

この執着が強すぎると、変化ができないのが普通です。

なぜなら、執着が強ければ強い程、一直線で変化できない事に、すぐ自分の中で、不満や不安が溜まってしまうからです。

そうなると、一直線で解決できない原因は何かとネガティブに考え始めるので、自分や他人を責めはじめます。そうすれば、必然的に、精神状態が悪化して、何事も続かなくなるというスパイラルに入るのです。

そういう思考の人は、セッションでも、一直線の変化への執着が、言動のあちこちから伝わってきます。

でも、デニス博士がいうように、人生でも、自分の根幹にかかわる課題や悩みというものを、そんな一直線に解決できる人を、私は見たことがありません。

右往左往して、時に回り道をして、時に戻り、また進み、山や谷を越えて、そうやって、次の扉にたどり着くのが人間だと思うのです。それは、人生のどんな問題も、どんな人間関係も。

そして、矛盾するようですが、「そのプロセスが一直線でないと、どこかで理解しているかどうか」が、最終的に変化するスピードに大きく影響を与えています。

私が思うに、人間はひとりで悩んでも、カウンセラーに相談したとしても、結局、自分の心の中で変化していくプロセスの道のりは、同じ道です。

例えば100キロの道は、どうがんばっても100キロの道。
目の前の登山道は、ひとりで登っても、ふたりで一緒に登っても、同じ道です。
山道が変化するはずはないように。

ひとりで必死に登っているのに、やる気を失ってしまったり、なぜか同じ道をグルグルして迷ってしまった時に、そのままひとりでいるほうがいいのか、誰かほかの人がいるほうがいいのか?
もし誰かほかの人がいたほうが、もっと客観的になれるとしたら?

人間は、雪山で遭難しても、ひとりより、ふたりのほうが、なんとしてもがんばろうという気持ちが維持できるように、誰かを伴う事で、諦めず、歩き続けることができるとしたら?

それによって、歩き続ける事で、頂上に早くたどり着く事は確かです。

そんな時、パートナーになるのが、カウンセラーでありセラピストです。

自分ひとりなら、しんどくなる度に道を引き返したり、違う山に上ってみたり、やはり途中で嫌になって投げ出してしまったり・・と、頂上につくのに10年かかる。そこを、誰かと一緒にひとつの山を一定期間集中して歩き続ける事で、例えば1~2年で、その山の頂上に着いてしまう。そういうことなのです。

ただ、カウンセラーが一般的なお友達と違うのは、(自分が相手をどうさせたいか?ではなく)クライアントさんのペースでゴールに向けて一緒に歩くというところでしょう。

本人がやる気を失って立ち止まれば一緒に立ち止まって話を聞き、早く乗り越えたいと主張するなら、ものすごいハードな崖に一緒にトライしていき、寄り道や回り道を選ぶとすれば、それも必然として付き合う。

(これをご本人が理解しているはどうかは別として)
その立ち止まりや、近道のための崖のぼりも、寄り道・周り道は、例えその人が、ひとりで変化していく道を選んだとしても、必ず通る道であり心の風景なのです。

このプロセスを全てを潜り抜けていくこと=先に進むこと、とわかっているからこそ、カウンセラーは、そこを一緒に歩くのです。

変化までの、道のりを魔法のようになくすことも、短くもできない。
でも歩き続けることで、ゴールに到着するであろう時間は確実に早まる。

どんな人も、心の中の道のりは、結局は、自分で歩くしかない。

自分で歩くと腹をくくっている人は、迷っても、整理するのに一瞬時間を使い(例えば、セッションを一度受け)後は、また自分で山や谷を越えるのだとわかっている人。
または、しばらく誰かと一緒に歩いてもらう事で(しばらくセッションに通い)、ひとりよりはふたりで知恵を出し合いながら、めげずに前進し続け、あとは自分でいけそうだと思った場所から、またひとりで歩き始めるとわかっている人。

私は、そういう人が、ひとりで歩き始めた背中を見るのが好きです。

自分の人生を自分の足で進むと腹をくくって前を見る、その後ろ姿はかっこいい。
それは、そこからは何かあったら、自分ひとりで色々応用して乗り越えていく事を引き受けた後姿なのです。

変化への腹がくくれていない人は、引き返そうかな、どうしようかな?今、山に登らなければよかったのかも?山が悪くて進まないのかも?などとすぐ気持ちが揺れる人です。
それなら、引き返すのもよし、そこで好きなだけその道で留まるもよし。

それは例え、ひとりで歩んでも、誰かと一緒に歩んでも、必ず見ることになる、自分の心の風景なのです。

今回久しぶりにお会いしたあがり症を克服した彼女達は、自分の癖をセッションの中でよく把握して、それを改善するための宿題を毎日必死でこなしていたことを思い出します。当時の努力と本気さは、変化する事を決めた人の生き方に見えました。
そして、セッション後も、それを定着させる努力を日々の中で続けていたのです。

どうりで、当時は見えなかった人生の風景が見えているはずです。

自分を信じて、歩き続けた後に見えた、いままで見た事もない世界に満足している
その顔は、笑顔と自信と明るいオーラに満ちていました。

色々な内面の変化を遂げてきた人は、「一直線にいかない法則」を身をもって理解できるので、次の変化にむけて山も谷も歩き続ける。だから、次の挑戦も、人生の違う風景を見る事ができるようになります。

早い一直線の変化に執着して、変化できない結果を繰り返している人は、次の挑戦も、早く変わりたいという執着のせいで、山や谷があるとすぐイライラしたり辛くなって、引き返すことでしょう。

人生のパラドックスですね。

今回久しぶりに会った、素敵な彼女達を見て、私はツイッターにこう書きました。

『体も心も、継続を目標にする人は、いつの間にか変化している。
すぐ変化しようとする人は、変化するまえに短気を起こし、耐えられずにやめてしまう。』

そして、私が気に入った言葉でこのコラムを締めくくりたいと思います。(以下共に、fukushima_BOTさんツイッターから引用)

「問題はなくならない。問題に挑む勇気があればいい」

「ノウハウは、失敗の連続の後にできる 」

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