以前のトモコラムで、
「衝撃の機内放送、あなたならどうする?」↓↓
https://www.hypnotice.jp/index.php?action_pastcolumn=true&column_id=71
を書きました。
今日もまた実話、飛行機のお話です。
それは・・・沖縄に出張したK君に起こりました。(K君の日記より許可を得て抜粋)
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この8月6日(木)は、ニュースでもたくさん取り上げられてたが、大型台風が沖縄県を直撃した日。多くの飛行機が欠航、欠航、欠航・・・。
だが、奇跡的に自分が予約した朝のJALの便は飛んでくれた。
しかし、飛行機は揺れに揺れた。
泣き出す子供もいたり、 キャビンアテンダントさんに
「この飛行機大丈夫ですか?」と質問するおばちゃんもたくさんいた。
機内は、そんな混乱ぶり。
機長さんからは
「今沖縄県上空は○ノットの風が吹いており、 この風が○ノット以上だと着陸に危険が及ぶので羽田に引き返す可能性があります。」
と何回かアナウンスも入った。
が秀逸だったのは、JALのオペレーション。 感動した。
というのは、無事に那覇空港に着陸した時のアナウンス。
無事に着陸できたのは、完全に、機長さんの腕の良さにも関わらず、
『本日はご搭乗ありがとうございます。 台風の影響で、羽田に引き返す可能性も非常に高かった中、今、無事に那覇空港に到着できたのは、ご搭乗頂いているお客様皆様の強運のおかげです。お礼申し上げたいと思います。ありがとうございました!』
という機長アナウンスが機内に流れた。
その瞬間、乗っていた、お客さんはほぼ全員が拍手をしていた(実話)。
「いやいや、機長のおかげでしょう!!」なんて大声を 上げている人もいた。
飛行中の高ぶる不安感直後の、上記アナウンスだったので、お客さんの感情の高ぶりも一層高かったんだと思う。
当然、自分も「いやいや、今回JALで良かったよ。 こちらこそありがとう!!」って気分だった。
紛れもない事実として、そこには搭乗者の一体感も生まれていて、
間違いなく、JALのこの飛行機に乗って良かったと思っているお客さんだらけだった。
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このKくんの日記を見たとき、なんか光景が目に見えるようでジーンとしつつ、
命の危険をも感じるような揺れに揺れたフライトでさえ、運がいいと感じるも、運が悪いと感じるも「選択なのね」としみじみ感じました。
機長が通常のアナウンスだけしていれば、大半の人は、降りたとき
「この日に台風になって、こんな揺れる飛行機に乗るなんて、本当に運が悪かった~」
と思っていたかもしれません。
もっと最悪なのは、機長が、
「本日は、大変運悪く、皆様に多くの怖い思いをさせるフライトになってしまい、残念でした。申し訳ありませんでした」
という表現で締めくくるタイプのアナウンス。
こういうコメントは、「長年の飛行の中でも、今日はやはり最悪なフライトだったのか!」「そんな運の悪いタイミングで飛行機に乗るなんて、やっぱり本当にツイてなかったんだな」というマイナス方面を、もっと強化させてしまいます。
でも、機長は、ほっとしたお客さんに
『台風の影響で、羽田に引き返す可能性も非常に高かった中、今、無事に那覇空港に到着できたのは、ご搭乗頂いているお客様皆様の強運のおかげです。 お礼申し上げたいと思います。ありがとうございました!』
と伝えることで、
この飛行機に乗った=ツイてない、運が悪い
を、
この飛行機に乗った人=ツイてて、強運だった
と無意識にリフレーミングしてしまいました。そうすると、乗客も
「なんか、この飛行機に乗れてすごくよかった気がする!」
「いや~ホント私って強運みたい、今日のフライトも・・・」
という気持ちになってきて、そうやって人に話します。
恐怖や心配な時、人はいつもの考え癖で解釈しますから、普段から、常にプラスに捉える考え方をしている機長さんだからこそ、とっさに出る素敵な一言だったのでしょうね(^-^)
ちなみに、不安や恐怖を強く感じた後というのは、誰かの言葉が潜在意識に深く入りやすいときです。もし、機長さんが、ここで運の悪さを謝罪すると、乗客も運が悪いと認めてしまうことになって、みんなをブルーな気持ちにさせます。
でも、強運な人たちばかりなので無事着陸までこぎつけたと感謝すると、心底ラッキーな気持ちにさせてしまいます。
空港に着いた後の乗客の時間までも、ハッピーにする機長さん。
最高です!
ちなみに、スカイネットアジアの離陸直前のアナウンスはこんなのがあったそうです。
「お荷物はしっかりと抱えてください。お子様連れのお客様は、お子様を大事なぶんだけしっかり抱きしめてあげてください。」
いいですね~。アナウンスひとつで、愛が深まるドキドキな瞬間。
揺れる時も、大切なお子さんをしっかり抱きしめるコミュニケーションの機会になったら最高です。
こういうコメントを言える人たちは、
「目の前にある事実は同じでも、考え方や、言葉の使い方で、最高にも最悪にもできる。」
そう理解して、日々生きている人。
現実は「ただそうである」だけで、解釈するのは私達。
最悪を最悪のまま終らせるも、最高にして終らせるも、
それは毎回、自分の腕次第。
そう思うと、改めて身が引き締まるようであり、気持ちよい自由も感じる私でした(^-^)