個人セッションで話を聞いていると、
誰かに(友達に、同僚に、上司に)何かをいわれて・・・ショックを受けたり、自分がおかしいのかな?と思って揺らぐ事は、誰にでも起こるのだなと思います。
そうなると、こころがちょっと敏感になりはじめて、相手の反応がさらに気になり始める。
「こういったらなんて思われるんだろう?」と人に自分の意見にも自信がもてなくなり、挙句の果てに、人との交流が嫌になってしまう・・なんていう悪循環を辿っている人も時々いるようです。
「私が、~~だと言ったら、友達に(同僚に、もしくは家族や彼氏に)こういわれて、私の考え方が変なのかな・・・と思い始めて・・」
と話してくれるクライアントさんに「何人の人に、それを言われたのですか?」と聞くと、
人数にすると「ひとりに言われた」か、多くて「ふたりに言われた」という答えが99%を締めます。
実は、人に相談をするとき、意見を聞く時は、上手な聞き方というのがあります。
それを今日はみなさんにお伝えしたいと思います。
ひとつめのポイントは
●ひとりやふたりだけでなく、必ず多くの人に聞く。(タイプの違う人5~6人には聞くと良い!)
映画をふたりで見に行って、友達に「すごく面白かったよね?」といわれると、面白くなくても「面白くないよ」とは言いづらいですよね?(誰でもそうです)
食事をふたりでいって、友達が「美味しい」と言っても、あなたにとって「そんなに美味しくない」店は世の中にたくさんあるわけです(逆もしかりですね)。
ところが、相手の人数が少ないと、場の空気を悪くしないようにという本能が強く働きすぎてしまう優しい人は、
「美味しいと感じない私のほうが、変なのかも・・」
「一般的にみんなはこう感じるのかも?」
と相手の意見のほうが、妥当のように感じようとしてしまう事があります。
それを続けると、自分の感覚を信じることができなくなって、自信(自分を信じる事)が無くなり、人生も迷路に入りやすくなります。
10人で映画いくと「面白い」という人、「そんなに面白くない」という人が出てきて、「あ~それぞれみんな違うんだな~」という感じになります。
だから、多くの友達に意見を聞くことです。
「友達が少ないんです」という人ほど、その友達ひとりの意見=世間の代表意見、みたいに受け止めやすくなるので、注意が必要です。ひとりは、あくまでも、この地球上の人間1人だけ。
友達だけでなく、同僚でも、兄弟でも、誰にでもいいので、5人以上に聞いたら、結構答えの意見が別れてくるのがいいところ。
10人に聞いたら、3人はAと言い、3人はBと言い、4人はCと言う・・みたいに、相当バラバラになってきます。
そうなると「どれが正しくて、どれが正しくないではなく、最後は、私が何を選ぶかなのだ」と自然と思えてきます。
次に、2つめのポイント。
●友達の意見は、あくまでも個人的な意見(その人の過去そのものである)であると心得る
友人の意見は、「その人の個人的な過去経験から導いた答え」だと思いましょう。
友達は、自分の経験に照らし合わせて、「~~は、こういうものだ」という個人的な経験を伝えてくれるのです。
だから、その人の価値観を知るには非常に良い機会です。
しかし、それをいきなり自分の人生に最適な価値観として当てはめようとするのは強引すぎます。
Aさんが好きなお店は、Aさんなりの人生の経験や思い出、味覚や趣向によって結論が出てきます。
それを、違う過去を持つあなたが好きにならないといけない理由はありません。
それと、どんな意見も一緒です。
例えば、私は、(ご主人と上手くいっていない)年配のご婦人から「夫婦なんて、3年したら(人によって5年したら・・とか、子供ができたら・・とか、色々あるのですが)、冷めてくるのよ~」とか「飽きてくる」とか「上手く行かなくなるもんよ」という貴重なご意見(?)を、過去たくさん頂きました。
でも、私にとっては、結婚して7年くらいたっても、夫婦の関係は何も変わらないどころか、年々良くなるばかりです。
友達に聞いても「子供が出来てからも、特に変わらず仲良くやっている」「子供ができて、ますます仲良くやっている」という親友夫婦もたくさんいます。
つまり「結婚って、恋愛って、仕事って、世の中って~~なものだよね」というのは、「その人の過去そのもの」を語っているに過ぎないことを理解しましょう。
それを理解した上で、最後の3つめのポイントは
●全ての意見を、「そういう考え方もあるよねボックス」にいれる
色々な人の意見(過去)を聞いても、それぞれに正しい、間違っているはありません。ただ「そういう経験をしたので、こう思う」ということだからです。
だから全ての意見は、まず「そういう考え方もあるよねボックス」にいれましょう。
5人の意見が「そういう考え方もあるよねボックス」に入れたところで、自分なりにどれに共感するのか、どれには共感しないのかを分別。
Bさんのココと、Cさんのソレをミックスしたのが、一番自分にとってしっくり来る・・のであれば、自分らしい答えが見えてきた証拠。それがあなたらしいオリジナルブレンドになるのです!
ちなみに、私が誰かに相談する時は、
「色々な意見を知りたい場合には」、友達に相談してそれぞれの意見を聞きます。
しかし、「自分の中を人に話しながら整理したい時」「自分がどうしたいのか決めたいとき」には友達に相談しません。
友達はその人なりの価値観を教えてくれる人ですが、私の中を私の為に整理してくれる人ではないからです。(それは友達の仕事ではありません)
その場合は、お金を払って、「私の為だけに話を進めてくれるカウンセラーやセラピストの所」に行きます。
これで、友達の個人的な意見に振り回されて、さらなる迷宮に入ることがないので、無駄な遠回りは避けられます。
プロは「私のためだけ」、100%、時間もコミュニケーションも使ってくれます。客観的な立場で整理するのを手伝ってくれるので、私が混乱することはない場所。
それは、自分の中を見つめるのに、とても安心できる時間です。
ですから、友達が個人的な経験を伝えてくれる無料相談と、プロの有料相談は、時と場合によって上手く使い分けるのがベストです(^-^)
私の周りのカウンセラーやセラピストは、大抵使い分けています。
それは、友達と話すときの自分と、プロとして話を聞いている時の自分が「どれだけ違うか」をよく分かっているから。
自分はどう思うか?自分ならどうするか?という意見を言い合って盛り上がるのが、友達同士の時間。それはそれで価値のある時間。
もし誰かに相談する時、意見を聞きたい時は、
相談に振り回されず、自分の為に、上手に「相談」を使っていきましょう!(^-^)