自己暗示を続けたYさんの大変化とは?

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今日は、半年で大変化したYさんについて、ご紹介したいと思います。(ご本人から了解を頂いてのご紹介です)

私生活や職場などでの強いストレスをきっかけに、精神状態が不安定になり、いつしか鬱っぽくなり、必要以上に緊張が続き、日常の恐怖や不安感が増える方は多いのですが、Yさんもそのひとりでした。
日々我慢して生活するうち、どんどん悪化してきて、予期不安に悩まされるように。

乗り物に乗ると「もし何かあった時すぐに降りれなかったらどうしよう?」
少し家族と離れると「家族に何かあったらどうしよう」という事が気になり始め、
人が自分を見ていないと分かっているのに、それが気になって緊張して冷や汗が出たりと、
どんどん不安が大きくなって、いつしか軽いパニックで乗り物にも乗れなくなってきたYさん。

「これでは今後ますます行動範囲が狭くなって、人生そのものが限定されてしまう」「もっと好きなことをしたいし、旅行も行きたい」そんな彼女は、ある日、徒歩で来ることができる私のセラピールームに現れました。

(彼女は医療従事者でしたので、もちろん医者にも診てもらい、症状がひどい時に飲む薬もお持ちでした。ただ、薬だけに頼るのではなく、自分で出来る心理的サポートとして催眠療法を使えるのではないかとお考えでした)

●退行療法は、過去の解放に使えます。
(例えて言うと、心の本棚に要らない本がスペースをとってないか調べて、要らないものは手放していく作業)

●暗示療法(イメージ療法)は、未来の創造に使う事ができます。
(例えて言うと、自分の本棚の空きスペースに、これからの自分にとって価値ある本をどんどん入れて埋めていく作業)

Yさんのご希望で、最初2回ほど退行療法を行い、その後は、イメージ療法といわれる暗示療法を使って(自己暗示文、色彩イメージ法、ゴール・イメージ・フォーカシング・テクニック、など取捨選択しながら、Yさんに合うものを組み合わせ)、出来る限り日々イメージトレーニングを続けてもらいました。

Yさんは「どうしても良くなって、もっと楽しく人生を送りたい!」という強い意思がありました。

ただ、途中でどうしても出来なくなってきた時もありました。(誰でもそうですね)

出来なくなる時は、自分の中に「やりたい自分」「やりたくない自分」の両方が存在していて、両者の綱引きで、動かなくなっている状態です。

そんな時は、焦らずに催眠療法のパートセラピー※(Part Therapy)で「やりたくない自分」と、「やりたい自分」対話を、1~2時間とことん行いました。(※パートセラピーは、2回目以降の方で必要な場合にご案内しておりましたが、大変好評のため来年よりメニューに加わります)

自分の中の二人の自分が、協力しあえなければ、やることもできません。
「何が嫌でやりたくないのか」「どうしたらやってもいいと思うのか」そこもしっかりと向き合って、お互いが納得した上で、協力タッグを組みます。

そして、現状に合わせて自己暗示を変えたり、イメージトレーニングCDを録音しなおすので、1ヵ月半に1回程度のペースで通っていらっしゃったYさん。

<2ヵ月後> 
無駄な予期不安(こうなったらどうしよう?等の)が半減

<3ヵ月後>
「今では(通勤の)バスに乗れるようになり、10回のうち9回くらいは平気になってきました」とのこと。

これは客観的に見たら大変化なのですが、ご本人いわく当時は
「でもまだ変化は感じません」ということでした(笑)。

※予期不安などの症状を持つ方は、真面目で完璧主義の傾向があります。
 ですから予期不安が減ってきたら、セラピーでは、そこも一緒に取り組んでいきます。
 「100点でないとダメ」だと思っていると、90点でも、80点でも、いつもダメな所ばかり
 が気になります。でも、生身の人間には、常に100点なんて絶対無理なのですから、
 出来る部分を、もっと客観的に評価できる部分も具体的にサポートしていきます。

<半年を過ぎた頃>

人の目が怖くてバスにも乗れなかったYさんが、なんと歌のコンサートに出たいので、それをイメージトレーニングしたいとのこと。
帰る際、「もし直前で無理なら止めます」といっていたのですが・・

「歌う前より、歌い始めてから少し緊張しましたが、なんとか乗り越えました。そして、後半は緊張どころかノリノリで飛び跳ねて歌っています。力を全部出し切った感じです(笑)映像がありますので、よろしければ見てください(メールには、YouTubeの映像付)」

という報告が後日やってきて、映像を見たらノリノリで歌っていました(笑)。

その頃から、本人曰く、
「日々の不安や心配が、以前一日10割だったとすると、現在は1割程度になった」
「昔は、無意識に一日の9割以上を、不安とか心配とか無駄な時間として過ごしていたことにびっくりです~」
だそうで、バスの中では、もう読書が出来るまでに成長!

いまでは「半年後が楽しみです!」といって、その後も、どんどんレベルを上げて、なりたい自分に挑戦していくことを続けています。

でも、半年前と、職場も通勤も家庭も、同じ環境に生きている彼女(^-^)

それなのに、彼女の「半年前の人生」と「今の人生」は全然違うものにみえませんか?

これは彼女だけに起こることでしょうか?

ストレスが多い現代人の多くは、一日の大半を(無意識に)ネガティブなことを考えて過ごしていて、ほとんどポジティブな事を考えずに、日々悶々と過ごしているものです。

これでは、無意識に、精神も体も人生も、どんどん不調になっていってしまいます。

特に真面目な方は、「これがダメだった」「あれも出来なかった」「なんで私は・・」「こんなに頑張ってるのに、あの人って・・」とかばかり考えてしまうパターンにハマりやすいもの。下手したら、寝るときまで考えるようになって不眠症に。

そんな時は「思い癖」を変えたら、Yさんの奇跡は、あなたにも起こります。

ただ、イメージ療法(暗示療法)で多くの方を見ていると、数ヶ月の時点では、「まだ引き返してしまうかもしれないけど、段々と変化してきている」という感じです。
でも、半年を越えたあたりから、私から見ても「もう昔の自分に引き返すにも時間がかかる程度まで変わってきたな」と思うところまで来る方が多いのです。

数十年かけて培ったものを変化させる時に、「半年」は誰にでもひとつの重要ポイントなようで、継続して、これを通り過ぎると、大抵ご自身が「自分が変わったと思う」と言い始めます(^-^)

「半年も~?」と思うかもしれません。

でも数十年も、歩んできた道を引き返す時、同じ年月かかってもおかしくないはずです。
でしょう??(^-^)

でも、「たった半年」で、5年分10年分20年分も、引き返せるとしたら、

「心って、なんて優しくて、良心的!」

私は、そんな心の良心的な対応にいつも感動します。

あなたの心も、きっと優しくて良心的なはず(^-^)

それを忘れないでいてあげてください。


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