私が、職業を「催眠療法士です」というと、みんなに
「え~。催眠術?じゃあ相手を催眠でコントロールできるんですか?」
と、ちょっと目をキラキラさせながら、前のめりで聞かれます(笑)。
「催眠で、人をコントロールすることはできません」と答えると必ず
「でもテレビで催眠にかかったタレントが、猿とかニワトリの真似してますよね?」
と聞かれます。答えは簡単!
「恥ずかしいと思う許容範囲が、人によって全然違うということ」と、
「みんなを驚かせるという前提で、その場の仕事を受けているということ」
という理由によって、あのようなことが起こるわけです。
もう少し詳しく話しましょう。
催眠ショーのテレビで催眠にかけられるのは、お笑い芸人の若手であるケースが
大半だとお気づきでしょうか?
(大御所のお笑い芸人さんは、必ずといっていい程、見る側に廻っていますね)
そして、お笑い系の若手芸人・タレントが、お金をもらい仕事として催眠ショー
に出てきます。
普通の一般人である私達にとて、猿の物まねをするなんて、信じられないくらい
恥ずかしい!と思っています。
でも、若手芸人さんにとって、人前でウケるために猿の物マネをするくらいは、
許容範囲内。しかも面白くなければ、芸人生命にかかわります。
(物マネが恥ずかしくて出来なければ、逆にお笑いタレントは難しいでしょう)
つまり、人は、自分が意識で「出来る」「やってもいい」と思う範囲までは、
催眠状態に入っていてもやれますし、「出来ない」「やりたくない」と思って
いたら、催眠状態に入っていてもできないわけです。
催眠に入ったからといって、体力的に持てない重いバーベルを、いきなり
持ち上げることはできないのと同じです。
さらに、みんなが「何が起こるんだろう?」とワクワクしながら見守り、
カメラが廻っている収録時間内に、猿になってください!といわれた瞬間、
「あの~、やりたくないんですけど」と言ったら、その若手お笑いタレントに、
二度と仕事はこないハズ。
もし本当に催眠ショーのように人が操れたら、フセイン大統領や、金総書記
に催眠をかけてしまえば、問題は、あっというまに解決してしまい、戦争
だって起こりません。拉致問題もすぐに解決するはずです。
ですから、催眠で人をコントロールするのは不可能ですし、相手の意識を
失わせることも無理。
そして自分の意識を失った時、それは催眠ではなく、ただの睡眠です。
これで、少しは安心して頂けたでしょうか??(^-^)
催眠状態は、「ヒプノセラピーとは?」のページで
説明したように、意識と無意識が両方アクティブな状態。
その状態ってどんな感じか知りたい!と思った方は、数ヶ月に一度
プチ体験セミナーをやっていますので、そちらでぜひ体験してみて下さい!