何故人は○○を思い出しやすいのか?

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ツァイガルニク効果というものを、あなたはご存知でしょうか?
1927年にツァイガルニクは、20種類の多様な課題を被験者達に与えました。

20個のうち、10個の作業は、被験者が仕事途中で終了。
残りの課題10個は、被験者の仕事がしっかり終了するまで行われました。

一連の課題を終えた直後、可能な限り課題の内容を思い出すように被験者達にたずねてみると・・・

結果は、仕事途中で終了したものと、しっかり終了させたもの、どちらを多く思い出したでしょう?(あなたの予想をどうぞ!)

実験結果としては、

なんと

被験者の80%が、

中断した課題を覚えていました。

しかし、最後まで完成させた課題を覚えていたのは、

たったの12%だけでした!(すくなっ!)

完了した仕事も、中断した仕事も同数10個だったのに、

中断した仕事を<約7倍>も覚えていたのです。

さらなる分析から、個人によっては完成した課題の、<5倍も未完成の課題を覚えている>場合があることが判明しました。

長い時間かけて最後までやり遂げた仕事の立場って・・・と思いますが、

この現象について、人間は終了・完了するまで緊張体系が作り上げられているという説明がされました。

つまり、自分が人生でやりはじめたけど、未完了・中断されているもの(結果を出してない事)、例えば

「英語を勉強しはじめたけど、最近忙しくてやれていない」
「スポーツジムに行き始めたけど、最近疲れて行けていない」
「あの仕事も、この仕事も、その仕事もやらないといけなくて頭が一杯」

というものが多いと、無意識に緊張がずっと働いているということです。
緊張が続き過ぎると、当然ストレスも大きくなってきます。

つまり未完了や途中になっているという、結果を出して完了しない事柄が人生に増えてくると・・・
→緊張状態が多くなり、さらに長くなっていく

わけですから、心も体も休まりません。

さらに、出来た事と出来ない事がたとえ半々でも、
<やり遂げた事より、途中で挫折した事を、5~7倍>思い出しやすいとなれば、

人生7割くらい上手くいっていても、うっかり
「なぜ、こんなにも色々な事が上手く行かないのだろう?」
と捉え違ってしまっても不思議ではありません。

心のマネジメントを伝えるワークショップでも一部お伝えしているのですが、

大きな課題は、終了できるサイズまで分解すること。
小さく分解したものを、都度終了しながら、前に進むこと。

そうすることで、緊張状態の合間合間に、ふと心が緩む瞬間ができます。
そうすることで、また新たにエネルギーも湧いてきます。

緊張状態の中で、延々と「まだ出来てないのに」と思い出す事ばかり増えれば、当然、自信が無くなってきます。緊張し続ければ、思考も疲れ、体調も悪くなってきます。

何も手を打たなければ、記憶はやらなかった事を追いかけてしまうのですから、冷静な顕在意識で、

「何が出来なかったか」より「何ならできるか」

にフォーカスして、現状を整理しながら、進んで下さい(^-^)


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